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超硬合金製品の用途や活躍業界を紹介

超硬合金とは、ダイヤモンドに非常に近い硬度を持つ複合材料です。主に炭化タングステンと、コバルトなどの金属を高温で焼結して製造されます。

高い硬度に加え、熱に対する強い耐性、優れた耐摩耗性を備えている点が特徴。
金属加工用の切削工具や、高圧下で使用される金型部品など、他の材料では対応が難しい過酷な使用条件が求められる製造現場で広く活用されています。

超硬合金の導入をご検討の際は、用途や解決したい課題に合わせたメーカー選びが重要です。本サイトでは、よくある課題別におすすめの超硬合金メーカーを紹介していますので、メーカー選定や課題解決の一助としてご活用ください。

超硬合金の代表的な用途

金属材料の中でも高硬度と耐摩耗性を誇る超硬合金は、極めて厳しい使用環境下でも安定した性能を発揮するため、幅広い産業分野で重要な役割を担っています。その具体的な用途は多岐にわたります。

切削工具

切削工具は、金属や樹脂などの素材を所定の形状に加工するために削ったり、切ったりする工具です。超硬合金は、高い硬度と耐熱性により、切削時に発生する大きな摩擦や高温に耐えうる材料として不可欠です。

加工精度の飛躍的な向上はもちろん、工具交換頻度の低減による生産性向上とコスト削減が実現できます。

超硬合金の切削工具が
活躍している業界

自動車産業 エンジン部品やトランスミッション部品の加工に使用
航空宇宙産業 高精度な部品加工に使用
機械製造業 各種機械部品の製造に広く使用
電子機器産業 精密部品の加工に使用
医療機器産業 高精度な医療機器部品の製造に使用

切削工具は、金属や樹脂などの材料を高精度で加工するため、これらの業界で重要な役割を果たしています。

建設工具・機材

建設分野では、岩盤やコンクリートといった硬質な対象への対応力が求められます。超硬合金は、その優れた耐摩耗性と耐衝撃性から、以下の建設工具や機材に採用されています。

超硬合金の建設工具・機材が
活躍している業界

建設業 建物の建設や解体に使用
土木工事業 道路や橋梁の建設に使用
鉱業 鉱石の採掘や処理に使用
インフラ整備業 水道や電力などのインフラ構築に使用

超硬合金の特性を活かすことで、過酷な現場環境における作業効率と安全性の向上に大きく貢献しています。

耐摩耗耐衝撃工具

高い耐摩耗性と耐衝撃性が必須となる様々な工具や部品にも、超硬合金は広く使用されています。
超硬合金の持つ独自の特性により、厳しい使用条件下でも高い性能を維持し、製造プロセスの安定化に貢献しています。

超硬合金の耐摩耗耐衝撃工具が
活躍している業界

鉱業 硬い岩石の掘削や破砕に使用
建設業 コンクリートやアスファルトの
切断・破砕に使用
製鉄業 高温・高圧環境下での
作業に耐える工具として使用
重工業 大型機械の製造やメンテナンスに使用

自社に適した超硬合金を選択するには、使用用途で求められる具体的な特性を理解することが不可欠です。超硬合金は、構成する成分とその比率によって、硬度・靭性・耐摩耗性といった特性が変化します。

本サイトでは、超硬合金材種の特性や、超硬合金の原料(主成分・接合材)について詳しく解説していますので、超硬合金選定時の技術資料としてお役立てください。

超硬合金の用途を製品別に紹介

代表的な超硬合金製品をいくつかピックアップし、具体的な用途と技術的利点について解説します。高い硬度と耐摩耗性を活かしたこれらの製品は、様々な産業分野で活用されています。

ドリル(ドリルビット)

金属加工や建設現場における穴あけ作業の主要ツールです。超硬合金製のドリル(ドリルビット)は、鋼材やコンクリートなどの硬質材料に対しても、高い硬度と耐摩耗性により、迅速かつ高精度な穴あけを可能にします。
長寿命であるため、工具交換の頻度を減らし、生産性向上に貢献します。

チップ

旋盤やフライス盤などの切削工具に取り付けられる、交換式の刃先です。超硬合金チップは、その優れた硬度と耐熱性により、高速切削や連続加工といった厳しい条件下でも安定した性能を発揮します。
容易に交換できるため、工具のメンテナンス性が高く、ダウンタイムの削減につながります。

タップ・ダイス

ボルトやナットなどのねじ山を切削・成形するために使用される工具です。超硬合金製のタップ・ダイスは、高い硬度と耐摩耗性により、金属などの硬質材料に対しても、長寿命で高精度なねじ切り加工を実現します。
特に大量生産や難削材の加工においてその威力を発揮します。

金型

プレス加工や射出成形など、材料を特定の形状に成形するために使用される型です。超硬合金製の金型は、高い耐摩耗性と耐熱性、そして優れた圧縮強度を備えています。
これにより、長期間にわたり高精度な成形加工が可能となり、自動車部品や電子部品といった精密部品の安定した大量生産に不可欠な存在となっています。

【業種別】超硬合金メーカー3選
大量生産に対応する 自動車部品・金型メーカー
向け
トーカロイ
トーカロイ
引用元:トーカロイ公式HP(https://www.tokaloy.co.jp/)  
高刃立ちの素材で、切断品質と
寿命を両立し大量生産に応える

超々微粒子構造と最大HRA95.0の高硬度設計により、大量生産を行う環境でも切削品質が長時間持続。工具交換頻度の抑制による高稼働で生産性向上が可能。

金型の寿命を約55倍、刃物の寿命を約100倍に改善(※)した実績があり、工具の交換頻度を軽減。

大型・重量部品を扱う 構造部品メーカー
向け
ノトアロイ
ノトアロイ
引用元:ノトアロイ公式HP(https://www.notoalloy.co.jp/)
重量・長尺の超硬部品にも対応する
大物加工の頼れる選択肢

外径φ500mm、長さ1,000mmに対応する大物超硬加工設備を備え、重量物や長尺・高荷重部品の加工をピンホールが除去された高品質で提供できる。

他社で断られることの多い、重機部品における金型の大型化・複雑形状に応える供給体制を整備。

非磁性・クリーン対応が必須な 医療・分析機器メーカー
向け
シルバーロイ
シルバーロイ
引用元:シルバーロイ公式HP(http://www.silveralloy.co.jp/jp/index.htm)
非磁性で高硬度・高強度を両立
磁場に左右されない精密超硬材

医療・電子・真空機器などで、非磁性かつ高硬度・高耐蝕性が必要な環境に対し、非磁性超硬合金を提供。

非磁性と塩分・化学薬品に対する高耐蝕性、HRA90.8・抗折力約4,400MPaの強度により、磁場干渉や薬液劣化を防ぎ、精密部品の高寿命化に寄与。

※参照元:トーカロイ公式HP(https://www.tokaloy.co.jp/proposal