トーカロイ(TOKALOY)

目次

このページでは、トーカロイが提供しているサービスの範囲、扱っている超硬合金の材種、超硬合金の製品加工事例などを掲載しています。超硬合金の開発や製品加工の依頼先を探している方は、比較・検討の材料としてご活用ください。

トーカロイとは?

1965年に設立された超硬合金の専門メーカーです。60年以上にわたるサービス提供で培った超硬合金のノウハウが強み。愛知県に本社を構え、岡山、兵庫、埼玉エリアにも支社を展開しています。

超硬合金の素材開発から精密な加工、スプレーノズルの設計・製造まで幅広く対応しているのが特徴です。

トーカロイの超硬合金加工の特徴

工具の切れ味が持続する
超硬合金の提供

硬度と強靭さを兼ね備えた超硬合金を提供しているのが特徴です。自社ブランドの「AGS1」という材種は、硬度HRA95.0を誇ります。これは、耐摩耗工具用超硬合金における日本産業規格(JIS B 4054:2020)で、最上位のグレードに匹敵する数値(※)です。

折れにくい性質(抗折力3,700MPa)も兼ね備えているため、刃こぼれしにくく、摩耗しにくい工具の製造が可能。鋭い切れ味の持続や加工製品の品質維持ができる他、工具の交換頻度を減らせます

オーダーメイドで、
課題に特化した製品や
特殊形状も依頼が可能

超硬合金の素材開発から製品加工までを、ワンストップで提供していることが強みです。オーダーメイドの提案も行っており、高頻度使用による摩耗・チッピングなどの課題に合わせた素材づくりから、特殊形状の加工まで、多様な要望に応えることができます。

製品は、最終形状に近い状態(ニアネットシェイプ)で提供されるので、切削や研磨などの後加工を大幅に減らすことが可能。1本から注文することができるので、試作品の製作依頼にも適しています。

徹底した検査で、
安定した
高強度・長寿命製品が得られる

高強度で長寿命な超硬合金を提供するため、トーカロイでは「炭素分析装置」の検査を行っています。超硬合金に含まれる炭素が多すぎると強度が下がり、少なすぎると割れやすくなるため、0.01%(10,000分の1)という細かい単位で、徹底した測定検査を行っているのが特徴です。

炭素分析検査の他にも、抗折力試験機や硬度測定機、マイクロスコープや工具顕微鏡など、専用機械を用いて各種品質検査を実施。品質管理体制の信頼性も高く、品質マネジメントシステムにおける国際規格(ISO9001)の認証も取得しています。

トーカロイが扱っている
超硬合金材種

トーカロイが扱っている超硬合金の一部材種を取り上げ、スペックを紹介しています。

▼左右にスクロールできます。
材種 硬さ(HRA/Hv) 破壊靭性値
(MPa・m1/2)
高温硬さ(Hv)
AGS1 95.0 / 2,180 6.5 -
H1 92.5 / 1,810 7.7 900
G8 82.5 / 820 37.5 -
※硬さ(HRA/Hv)…TAS規格による測定の代表値(AGS1のHRA硬さは、ビッカース硬さからの換算値)/破壊靭性値(MPa・m1/2)…TAS規格・ビッカース圧痕法による測定/高温硬さ(Hv)…文献からの参考値

取り扱い材種はメーカーによって異なるので、他社の情報を知りたい方はメーカーの一覧ページをご参照ください。

超硬合金メーカーの一覧を見る

トーカロイが対応できる
超硬合金の加工/製品製造

  • 回転切削工具
  • 耐摩耗用素材
  • スリッター・メタルソー用素材
  • 多段偏芯シャンク用素材
  • 焼結タップ・ダイス・ネジ
  • 特殊チップ
  • 長尺素材
  • ネジレ加工素材
  • 特殊サンプル
  • ホブカッター・ローレット加工
  • 細穴加工など

トーカロイの
製品加工事例/納品実績

トーカロイが開発した超硬合金を活用して、金型や工具の寿命を延ばすことに成功した製造現場の事例を掲載しています。

金型の寿命を約2.5倍延ばして
生産数の急増に対応

トーカロイ_事例
引用元:トーカロイ公式サイト(https://www.tokaloy.co.jp/proposal)

SKD11製の金型(絞りダイス)を使用していた製造現場の事例です。SKD11は耐摩耗性に優れた素材ですが、高負荷や長時間の使用には限界があります。生産計画見直しのタイミングで、生産量を大幅増加することになり、SKD11製の金型では寿命が足りないという課題が浮上しました。

トーカロイは、より丈夫なSKD61と非常に硬い超硬合金「トーカロイG5」を組み合わせた「焼きばめ構造」への変更を提案。試作品による実際のテストでは、金型の寿命が約2.5倍アップしました。

生産量を大幅増加できるようになった他、金型交換の頻度や費用の削減にもつながっています。

切断刃の寿命を約100倍延長して
コストを削減に成功

トーカロイ_事例
引用元:トーカロイ公式サイト(https://www.tokaloy.co.jp/proposal)

自動車のエンジンまわりに使われる直径30mmのゴムホースを、毎日大量に切断している工場の事例です。

工具の刃に使われていたのはハイス鋼という素材。切れ味は良いものの、消耗が早くて頻繁に交換しなければならないという課題がありました。工具の交換作業には時間もコストもかかるため「とにかくもっと長く使える刃物がほしい」とトーカロイに相談。

そこでトーカロイは、非常に細かい粒子で構成された「AGS1」という超硬合金素材を提案しました。刃先の鋭さと摩耗への強さに優れていて、硬く・削れにくいのが特徴です。導入前は約1,000回切断する度に交換が必要でしたが、導入後は交換せずに約100,000回切断できるようになりました。

トーカロイの展示会・イベント
出展情報【2025年度】

  • 2025年7月23日~25日 東京ビッグサイト開催「TECHNOxFRONTIER2025」へ出展

トーカロイのまとめ

トーカロイの超硬合金は、非常に硬く、折れにくい性質をもつのが特徴。鋭い切れ味を長期間維持できるため、摩耗や刃こぼれなどの課題を解決することが可能です。例えば、加工回数・頻度が多い自動車部品などの量産現場や、刃が滑らず摩擦が起こりやすい「ゴムホース」や「樹脂チューブ」などを加工する現場に適しています。

さらに、超硬合金の素材設計から製品加工までをワンストップで対応しており、複雑な形状への加工にも柔軟に対応が可能。炭素分析装置による高精度の品質検査を行っているので、安定した品質が期待できます。

本サイトでは、業種別に超硬合金メーカーを紹介しています。超硬合金の依頼を検討している方はぜひ参考にしてください。

業種別のおすすめ
超硬合金メーカー3選を見る

トーカロイの基本情報

社名 株式会社トーカロイ
創業 記載なし(設立:1965年7月8日)
所在地 本社:愛知県瀬戸市坊金町236-1
岡山支社合金課:岡山県津山市綾部1892-7
神戸営業所:兵庫県神戸市東灘区森南町2-5-2など(他、複数拠点あり)
TEL 本社:0561-83-7880
岡山支社合金課:0868-29-3810
神戸営業所:078-441-2541など(他、複数拠点あり)
URL https://www.tokaloy.co.jp/
【業種別】超硬合金メーカー3選
大量生産に対応する 自動車部品・金型メーカー
向け
トーカロイ
トーカロイ
引用元:トーカロイ公式HP(https://www.tokaloy.co.jp/)  
高刃立ちの素材で、切断品質と
寿命を両立し大量生産に応える

超々微粒子構造と最大HRA95.0の高硬度設計により、大量生産を行う環境でも切削品質が長時間持続。工具交換頻度の抑制による高稼働で生産性向上が可能。

金型の寿命を約55倍、刃物の寿命を約100倍に改善(※)した実績があり、工具の交換頻度を軽減。

大型・重量部品を扱う 構造部品メーカー
向け
ノトアロイ
ノトアロイ
引用元:ノトアロイ公式HP(https://www.notoalloy.co.jp/)
重量・長尺の超硬部品にも対応する
大物加工の頼れる選択肢

外径φ500mm、長さ1,000mmに対応する大物超硬加工設備を備え、重量物や長尺・高荷重部品の加工をピンホールが除去された高品質で提供できる。

他社で断られることの多い、重機部品における金型の大型化・複雑形状に応える供給体制を整備。

非磁性・クリーン対応が必須な 医療・分析機器メーカー
向け
シルバーロイ
シルバーロイ
引用元:シルバーロイ公式HP(http://www.silveralloy.co.jp/jp/index.htm)
非磁性で高硬度・高強度を両立
磁場に左右されない精密超硬材

医療・電子・真空機器などで、非磁性かつ高硬度・高耐蝕性が必要な環境に対し、非磁性超硬合金を提供。

非磁性と塩分・化学薬品に対する高耐蝕性、HRA90.8・抗折力約4,400MPaの強度により、磁場干渉や薬液劣化を防ぎ、精密部品の高寿命化に寄与。

※参照元:トーカロイ公式HP(https://www.tokaloy.co.jp/proposal